研究課題

日本における「モバイルマッピングシステム」の現状を探る!未来を読む!

モバイルマッピングシステムとは、「搭載型の移動体3Dレーザー計測機」を用いて、一度の走行で道路周辺の情報を一挙に取得するシステムのこと。取得した3次元の走行軌跡データ・レーザー点群データとカメラ画像のデータをもとに、3次元フルカラーの点群データ(モバイルリアリティキャプチャ)を作成します。

 

道路を走行しながら測定するので、交通規制は不要で、また、上空の障害物の影響を受けないというメリットもあります。例えば取得した幅員・路肩・歩道橋・電線などの三次元道路空間データと、車両走行軌跡データを仮想空間上で「干渉チェック」することにより、安全確認はもちろん、崩落や剥落などの危険性など変状の察知、電柱・電線など修復箇所の特定が可能になります。

 

また、トンネル、橋梁、河川堤防などの測定も可能で、目視点検では発見できないようなわずかな変状(ひび割れや凸凹)も把握できます。さらには火災・震災・洪水など災害のシミュレーション、都市計画にも活用でき、近い将来には自動運転向けダイナミックマップ構築への活用も視野に入っています。

 

加えて、空中または舗道の検査カメラ、騒音公害センサー、空気質センサーなどからのデータ、あるいは地中レーダー(GPR) で取得した水道やガス管などの地下施設のデータも含めて、将来的には複合のセンサー・プラットフォームを構築することも可能です。

 

日本では国土交通省主導の3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化プロジェクト「PLATEAU(プラトー)」においてモバイルマッピングシステムが導入され、全国各地で3D都市モデル化が進んでいます。特に静岡においては「VIRTUAL SHIZUOKA」構想を掲げ、県内の全域を測定して「3次元点群データ」を取得・蓄積。新たな社会インフラとしての活用を始めています。また、電力会社が電線や電柱などの維持管理に、道路会社や鉄道会社が道路・線路・トンネルの改修計画に、自治体が都市計画や災害対策に「モバイルマッピングシステム」を活用し始めています。

 

そんな動きの中で、愛知県でも、いくつかの自治体が「PLATEAU(プラトー)」に参画。3D都市モデル化に取り組んでいます。ただ、強力に推進している自治体に比べると、その勢いや熱は現状、低調な状態です。県内インフラ系の会社も、まだ、スタート地点にいます。

 

日本の社会が劇的に変わる!というムーブメントにまでは至っていませんが、その胎動は各地で確実に始まっています。この流れに乗り遅れることは、イコール「先進自治体や先進インフラ系会社」の後塵を拝することを意味します。そう、いますぐ動き出さなければ手遅れになるのです。

 

そこでマルヨシでは「モバイルマッピングシステム」を研究課題に掲げ、始動しています。世界の最先端をゆくライカジオシステムズ社製の「Pegasus TRK」の導入を検討。道路と道路周辺の点群データの取得はもちろん、据え置き型の「RTC360」「BLK360」ハンディタイプの「BLK2GO」との併用で、街を、都市全体をまるごとスキャニングすることを視野に入れ、「知多半島」と「愛知県」の未来のために鋭意研究トライアル中です。

 

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